シガラキマニア2021

アーティスト・渡部睦子さんのこと

愛知県生まれオランダ・アムステルダム在住の渡部睦子さん(Chikako Watanabe)は
京都市立芸術大学大学院終了後、1995年よりオランダを拠点に活動されています。
(1998年サンドベルグインスティテュ-ト、2002年ライクスアカデミー、アムステルダムを修了)

渡部睦子さん


渡部さんは 世界各国の訪れた土地で、さまざまな文化やコミュニティの人々と出会い、「地元の人に何かを教えてもらう」ことを通じて制作を行ってこられました。


現地で見つけたものから生まれた作品は、多様な人々とのコラボレーションを通じて、土地の記憶と現実が交錯する「場」を創造しています。


渡部さんの作品スタイルは彫刻家や陶芸家の製作過程とは少し違います。


関りが始まった地域今回ならば信楽について徹底的にリサーチを行うことから始まり具体的な作品に繋げていきます。


その徹底ぶりこそがアーティスト渡部睦子さんなのです。人類史以前のその「場」の事象から現代に至るまで断片的であるにせよ膨大なリサーチ資料とメモを元に独自の考察を作っていきます。


そこには通常の視点からは見つからない発見が織り交ぜられており、学問的な視点によるエビデンスとアーティスト独自の考察が織り交ざっていることが分かります。


それらのリサーチをもとに交差する情報を作品に織り込んでいかれます。




2019年に参加された、大阪府能勢町の「のせでんアートライン」では、かつてオランダの漁師から習い自身のプロジェクトを通じて様々な場所で編んできた網を、能勢妙見山周辺の人々と編むワークショップを行いその土地のエッセンスを手繰り寄せました。

のせでんアートライン2019の作品

「のせでんアートライン」では、能勢のみならずその周りの広範なエリアをリサーチし、能勢妙見山と信仰の歴史、星を眺め生きる漁師や遊牧民など、一見遠く離れた人々の習俗を結び付けてきました。そしてワークショップで子どもたちと編んだ網を目印に、能勢妙見山を辿る道のりを、星と海と人々の営みを巡るスケールの大きな旅として提案しました。旅の途中の山頂にはこの土地で出会った材料で櫓を設えゲストミュージシャン(MAMIUMU,川辺ゆか)を迎えてツアーパフォーマンスを開催、儀礼的な鑑賞体験を創出されました。



今回の信楽での展示は、「のせでんアートライン」の続編が出来上がりました。



聖武天皇が都を置いた宮町地区、その本殿があったとされる位置から中央線を南北に引き、その線上に「帆掛け舟」を模した構造物が設置されます。

琵琶湖が移動してきたこと、北極星を目印に人々が旅をしてきたこと、筏を使った輸送手段、そして何よりも人々が古代より同じ星を見つめ続けてきたことを想起させる「場」を製作してくれます。

そしてリサーチされた資料を基もとに12分の映像作品を期間限定で公開してくださいます。




信楽のルーツを探り、そしてそこに至るまでのルートたどり、
偶然や個人の記憶といった点と点を線で結ぶ事で作品をどうぞご観覧ください。

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